抜歯即時インプラント: 2006年3月アーカイブ

 治療例の患者さんの治療ステップです。

初診

  • レントゲンで歯が完全に折れている事を確認しました。
  • 保存不可能と診断し、ブリッジ・義歯・インプラントなどの治療法について説明を行いました。
  • 炎症をおさえるために消毒と抗生物質の投与を行いました。

検査
  • 最終的にインプラント治療を選択される事になりました。
  • CTの撮影を行い骨の幅や質を確認して術式を決定しました。
  • 治療費の詳細な見積もりを差し上げ、埋め込み手術の日を決めました。

抜歯とインプラントの埋め込み
  • お口の中をきれいにお掃除して、麻酔をしました。
  • 麻酔が効くのを待って抜歯をしました。
  • インプラントを植える場所(インプラント窩)を形成しインプラントを埋め込みました。
  • 初期固定がしっかりしている事が埋入トルク値とペリオテストの機械で確認できたので、そのまま仮歯を連結しました。
  • 処置時間は1時間程でした。

翌日の洗浄
  • 翌日、植えた部分の洗浄を行いました。腫れや痛みもなく経過は良好です。

2次オペと印象(型取り)
  • 2ヶ月間、インプラントの骨への結合を待ってから、仮歯を付けていたキャップを外しました。
  • 同日に土台を作るための型を採りました。
  • 仮歯は調整してそのまま戻しておきます。

冠の作成
  • セラミックの土台を試適して色と形を確認し、最終仕上げをして冠を付けました。

Immediate-1.jpg 5年程前に虫歯から神経を取る治療を受けられた患者さんです。神経がないために歯自体が変色して脆くなっていました。食事の時に硬いものを前歯で噛んだ拍子に「バキッ」と音がして歯がぐらぐらし始めたので来院されました。レントゲン写真により歯が垂直的に根元まで折れている事を確認しましたので、抜歯して即座にインプラントに置き換えました。

immediate-2.jpg 2ヶ月後にしっかりと骨と結合した事を確かめてから、チタンでできたポストを連結しました。もう一度、仮歯を作り直して歯茎の形を整えたり、噛み合わせの状態を確認したりします。

Immediate-3.jpg 最終的な冠を装着した状態です。歯のホワイトニング(漂白)も行いました。変色したり、先端が欠けていた前歯はラミネートベニア法とオールセラミッククラウンで修復しています。奥歯の銀色の冠もセラミックに換えました。

 歯が折れたり、虫歯がひどくなって保存不可能な場合、抜歯と同時にインプラントを植えるのが抜歯即時インプラントです。単純にインプラント窩を形成して埋入する場合に比べると、考慮すべき点が多く、やや複雑な術式と言えますが、多くの利点もあります。

 抜歯即時インプラントの利点

  • 抜歯と同時にインプラントの埋入が終わるので治療期間が短縮できる
  • HAコーティングのインプラントならインプラント自体を骨補填剤として使える
  • 抜歯後の歯茎の吸収や落ち込みを防止できるので審美的
  • 条件が整えば抜歯した日に仮歯を付けられるので歯が無い時期が全くない

 抜歯即時インプラントの欠点

  • 炎症によって歯を支える骨の吸収が激しいと難しい
  • インプラントと抜歯窩の間の隙間を埋める処置が必要
  • 骨の状態によっては初期固定を得るのが難しい
  • 正確な位置に埋入するためには熟練が必要
  • 埋入位置や方向、深度を誤るとGBRや骨移植などの複雑な処置が必要

 インプラントに置き換える歯自体の状態や周囲の骨の状態をしっかりと把握する事が必要ですので、CT等を用いてきちんと術前の診断を行う事が非常に重要になります。

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