2006年4月アーカイブ

 今日のインプラントは第一大臼歯でした。随分前に抜いてそのまま放置されていたので、奥の第二大臼歯が倒れ込んでいました。2ヶ月ほどかけて矯正装置を使って第二大臼歯を元の位置に戻して、スペースを作ってからの埋入です。

 骨の高さは充分なのですが、上のほうで幅が狭くなっていました。抜歯して長期間過ぎた場所ではよくある事です。従来の方法では、自家骨を採って来て移植したり特殊な膜を使ったりしていたのですが、術後に痛みや腫れが出やすいの難点でした。

 最近ではスプリットコントロール法という骨の幅を広げる手技を使って埋入する事が多くなりました。4mm程の幅があれば充分に埋入が可能ですし、腫れや痛みが少ないのが利点です。

 スプリットコントロールは患者さんへの侵襲は少ないのですが、ドリルで形成するのに比べるとステップが多くてやや煩雑です。生体の骨は結構弾力性があるので慎重に広げてゆくと幅で3mmほどは拡大が可能です。深い場所ではやや硬い部分もあるのでそこはドリルを併用し、1時間ほどで終わりました。

 PT値は02で充分な初期固定もありましたので、そのままカフを連結して仮歯を入れました。おそらく3ヶ月以内には最終的な冠の装着が可能になると思います。従来法に比べて治療終了までの期間が短いのも利点です。

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スプリットコントロールのセットです。非常に使いやすいシステムですが、それぞれ収納する位置が決まっていますので、慣れていないと後片付けが大変なのが難点です。

 午前中は保存不可能な小臼歯を2本抜歯して抜歯即時でインプラントを埋入しました。今週はどうした事が抜歯即時インプラントの症例が多く、ほぼ毎日、抜歯即時インプラントをしています。

 周囲の骨や歯茎を傷つけないように慎重に抜歯をして、中の肉芽や炎症をきれいに除去します。次に埋入する方向を決めるのですが、今日のテーマは「埋入方向」でした。

 天然歯では小臼歯とその手前の犬歯はかなり根の方向が違います。小臼歯を抜いてそのままインプラント窩を形成すると、最悪の場合は犬歯の根を削ってしまいます。他院でのインプラントで犬歯の先端を削ってしまっており、犬歯を抜歯せざるを得なくなったケースも見た事があります。

 しかし、犬歯に平行に第一小臼歯部のインプラントを植えると、元々小臼歯が生えていた方向に植えた第二小臼歯のインプラントの先端が当たる可能性もあります。また今度は第二小臼歯部のインプラントの方向を変えすぎると奥の第一大臼歯の根を削る可能性があって油断出来ません。

 そんな事をごちゃごちゃ考えていると、怖くてなにも出来なくなるのですが、CTで3次元的な位置関係を把握し、埋入方向のシミュレーションを行っているので、計画通りに植えればなにも問題はない筈です。こんな時は、最初のドリルを入れる前にじっくりと時間をかけて方向を確認します。

 一旦、最初のドリルを入れるとCCDのレントゲンで即座に結果が判りますので、微調整しつつ最終的な長さまで形成します。最終的にインプラントを埋入して確認のレントゲンを撮影しましたが、幸い深さの微調整だけで、予定した位置と方向と角度にインプラントを埋入する事ができました。

 骨の量が充分ありましたので、初期固定がしっかりしていれば今日中に仮歯を連結して即時加重を考えていたのですが、ペリオテストによる動揺度が+03、+02以下が即時加重の適応ですので、01の差で断念しました。

 午後は1昨年インプラントを植えて、歯のポジションを矯正した患者さんの最終補綴の装着でした。奥歯が無くなってしまって、前歯がずれてしまっていたので、先に奥歯にインプラントを植えて、それを固定源に前歯の矯正をした患者さんです。矯正が終了して、噛み合わせの安定を待って、やっと下顎の奥歯の冠が入りました。

 複雑なケースだったのですが、患者さんにご協力いただいたので、なんとかきれいに仕上げる事ができて、とても嬉しかったです。あとは上の奥歯で終わりです。長期間の治療もやっと終わりが近づいてきました。

 歯の根が折れてしまい冠と土台が取れてしまった患者さんの抜歯即時インプラントを行いました。抜歯即時インプラントの基本は「如何に骨にダメージを与えずに抜歯をするか」という事なのですが、「抜歯適応の歯」を抜歯するので、どうしても簡単には抜けてくれません。

 通常の抜歯なら歯槽骨と歯の間にヘーベルという器具をかけて少し力をいれると簡単に抜ける事が多いのですが、抜歯即時インプラントの適応になる歯は大抵ぼろぼろで、ちょっと力をかけると歯自体がポロポロと欠けてきます。ペリオトームという特別な器具を用いてそっと抜歯するのですが、結構、時間がかかります。

 今日抜歯した歯はさらに炎症から根の周りのセメント質が肥大していて、先端が太くなっています。こうなると、通常の方法では抜けませんので、慎重に分割をして抜歯しました。

 あとは位置と方向と深さを確認してインプラントを植えるだけなのですが、逆に抜歯即時インプラントのときはすでに大きなガイドホール?がありますので、あまり難しい事はなにもありません。CCDのレントゲンで最終確認を行って、インプラントの埋入自体はすぐに終わってしまいました。

 抜歯即時インプラントに関しては、「楽あれば苦あり、苦あれば楽有り」という事でしょうか。

 今日は午後から抜歯即時インプラントでした。午前中の診療を少し早く終わって、自宅に帰って昼食を摂り、ちょっとチェロの練習をして午後からオペです。

 レントゲンで歯の根の先端がやや肥大しているのが判っていたのですが、やはりそこが引っかかって中々抜けません。炎症が原因のセメント質の肥厚と言われる状態です。インプラントをしない場合は歯と骨の間に器具を入れて少しこじるようにすると簡単に抜けます。即時埋入インプラントを行う場合は周囲の骨を傷つけるといけないので、慎重に歯を削って抜かなくてはならないので少し時間がかかります。

 先端近くに大きな膿の袋が出来ていたので慎重に取り除きましたが、レントゲンで予測したより骨の吸収量が多く初期固定が得られなかったので、即時に仮歯を連結する事は出来ませんでした。ハイドロキシアパタイトコーティングのインプラントを埋入して、骨との隙間にβTCPを填入して、コラーゲンの膜で上から被って縫合して終わりです。

 トータルで1時間ぐらいなんですが、インプラントを埋入するより、抜歯のほうがよほど時間がかかってしまいました。

 昨日、抜歯即時インプラントをした患者さんの消毒をしました。痛みや腫れなどは全くなく、今日は鎮痛剤も服用されていないそうです。治癒を促進するためレーザーを照射して終わりです。

 1週間後の抜糸の予定をお話して、患者さんをお帰ししようとおもったら、患者さんから「この週末、温泉に行ったり、お酒を飲んだりはダメですよね?」と聞かれました。とくに出血も腫れも無いので、「あまり、長湯をしたり、深酒をしなければ大丈夫です。」とお答えしました。

 抜歯即時インプラントは多くの場合、歯茎を切開してませんので、通常のインプラントよりずっと腫れや痛みが少ないようです。

 今日は虫歯で保存不可能になった上顎の小臼歯を抜歯してインプラントに置き換えました。

 犬歯と第二小臼歯に挟まれた部分ですので、方向を間違えるとどちらかの歯の根を削ってしまう可能性があります。CCDのレントゲンで方向と深さを確認して埋入自体は30分ほどで終わりました。

 歯根が折れたり、ひどく炎症を起こして骨が吸収していると、術式がすこしややこしくなるのですが、幸い炎症が無かったので早く終わりました。

 カフを取り付けた状態でペリオテスト値が-04だったので、8週後ぐらいには最終的な冠を作る準備に入れると思います。

ICOI認定医試験

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 昨年、ある勉強会でインプラントの症例発表をしました。その時に講師の先生から、「ICOIインプラント認定医の試験を受けてみてはどうですか。」とおっしゃっていただきました。認定医試験は半年に1回程ですので今年の最初の試験を受験する事にしました。

 ICOI(International Congress of Oral Implantologists )国際インプラント学会は世界最大の歯科用インプラントの学会で80カ国に会員がいます。以前から会員だったのですが、今回受験するのはFellowshipの資格です。

 受験資格には認定研修会の受講時間、インプラント経験年数、そして埋入後に安定して機能している規定の症例数が必要とされています。結構、長くインプラントを行っていますので、この基準はクリアしています。今日の試験は試験官の先生の前での症例発表と口頭試問、それに小論文でした。学会での発表などは慣れているのですが、1対1での試験は結構、緊張しました。

 結果は即日発表で、合格させていただきました。認定医になっても日常の臨床が変わる訳ではありませんが、認定医の名に恥じないように研鑽に努めたいとおもいます。

 認定医証の授与式は年次の学会場で行われるそうです。昨年はパリだったのですが、今年は台北です。どうせならパリに行きたかったかも、とちょっと思いました。

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