1990年代の初めにアメリカにいた時にはすでにガソリンにエタノール添加したバイオ燃料がスタンドで販売されていました。1ガロンあたり5セントほど安かったので、貧乏なResearch Associateだった私は必ずエタノール添加のガソリンを入れていました。安いのでエタノールを添加ガソリンを入れると、エンジンの出力が下がるのかと思っていました。ところが、住んでいた州はトウモロコシの産地だったので、州政府が普及のために補助金を出していて意図的に価格を低く抑えていたそうです。
事実、他の州に旅行に行ったら逆にエタノール添加のガソリンの方が高くてビックリした事がありました。エタノールを添加するとオクタン価が上がるので、「ハイオク」扱いなのだそうです。鉛を添加する事も無いし、燃焼して二酸化炭素を出しても、元は大気中の二酸化炭素を植物が取り込んだものですから収支は0です。良い事ばかりですね。
ところが、FujiSankei Business.iによるとアメリカ政府のバイオ燃料推進政策によって、穀物価格が上昇するという事態が生じています。
ブルームバーグによると、アースポリシー研究所のブラウン所長は「穀物価格は原油価格と同様の水準まで上昇するだろう」と今後の価格上昇を予想。「貧しい国々の都市部では食料をめぐって暴動が発生する可能性もある」と価格高騰によって食糧問題が深刻化するとの見方を示しています。
そこで、新しいバイオディーゼルの燃料として目をつけられたのが、鶏の脂身です。
バイオディーゼル燃料向けの需要拡大で急騰する穀物に代わり、家畜の脂肪を原料とする低価格燃料が米国で急速に普及しそうだ。食肉大手や中小ベンチャーが相次いで事業化に向け始動。5年後にはバイオ燃料の半分を占めるとの予測も出ている。FujiSankei Business.iより
現在、食肉加工工場で発生する家畜の脂肪などの大量の副産物は現在、ペットフードやせっけんの原料として出荷されているそうです。アメリカの食肉加工米最大手のタイソンフーズこれを燃料として再生する事業を視野に入れ、年内にもプラントの稼働が開始されるかもしれないとの事です。
世界には飢えている人も沢山いるのに、穀物や家畜の脂を燃料に使うのはとんでもないと思われるかもしれません。でも、食料は不足しているのではなく、偏在しているだけだという説もあります(世界飢餓にまつわる12の神話)。
唯一の心配は、鶏の脂身燃料で走ると車の排気ガスがなんとなく「鶏の唐揚げ」臭くなりそうな事です。

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