●医療用骨補填剤 ー 仕入れ先は葬儀屋さん
歯科でもインプラント時の骨補填剤としてDFDBA(Demineralized Freeze Dry Bone Allogous)ヒト凍結乾燥脱灰骨を使う事もありますが(日本では薬事未承認)、アメリカでは整形外科で使われた骨補填剤の材料の入手先を廻って大変な騒ぎになっているそうです。
米国メイン州の少なくとも14人の患者さんが北西部の葬儀屋さんから盗まれた遺体から作られた骨補填剤の移植を受けていた事が判明しました。ニューヨーク州の判事はこの件に関して先週4人を詐欺行為で起訴しました。盗まれた遺体から作られた骨補填剤が患者さんにどのような影響を与えるかはまだ判っていません。 問題の骨補填剤の未使用分はリコールされ病院から回収されました。すでに使用された分については使用した患者さんが特定され、本人に連絡をしたそうです。事実を告げられた患者さんの反応は「怒り」から「不安」まで様々だったそうです。患者さんは補填剤に病原性が無かったかを調べるために検査を受けているそうです。local6.comより
歯科で使われているDFDBAは提供を受けたヒトのスクリーニングと骨組織の病理検査を行っているので感染性は無いとメーカーは説明しています。でも、歯科用のDFDBAの大手のPacific Coast Tissue BankのHPを探している時に見つけたのですが、ここも非営利団体と言いながら、なかなかアヤシイ会社だというHPがありました。
実は同族会社で過去5年間に2480万ドルも一族に流れているとか、遺体一体で$26,600の利益があるとか、麻薬中毒者の骨を使っていたとか、肝炎の人から採取した骨を移植用に出荷したとか、ヤギの骨とヒトの骨を同じ冷蔵庫で保管していたとか、いろいろと書いてあります。FDAは「いままで別に問題が無かったから別にいいじゃないか」というスタンスらしいです。なんだかBSEの問題に対するアメリカ政府の対応そのままのようにも思えます。同様の理由で牛から作ったBi-Ossもちょっと信用できません。こちらもFDAは認可していますので、アメリカでは普通に用いられています。私は動物由来の材料は安全性が確立していないように思えて怖いので、βTCPのような化学的に合成された材料か患者さんご本人の自家骨を使っています。
本来は日本で、本当に非営利の団体が集めた骨で骨補填剤を作る事ができれば良いのですが、「お骨」を大事にする仏教徒では難しいのかもしれません。私は自分の死後、私の骨がどなたかの顎の中でインプラントを支える事ができるなら、個人的にはドナーになっても良いと思います。そのかわり、しっかり埋入してインプラントをインテグレーションさせ、最終補綴ではきちんとした咬合を与えてしっかりと機能するようにして欲しいと思います。
もし、せっかく埋入したインプラントがロストしたり、骨吸収を起こしたりしたら、私はその歯医者の所へ化けて出るようと思います。