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2006年03月03日

●高利貸しは犯罪なのか?

 木村剛氏のブログ、アーリーウォーニングこんな記事がでていました。

零細企業にお金が回るか? 
ミドル・リスク・マーケットはこれだけジャブジャブの金融環境にあっても、資金のダブつき感がない。保証協会に頼ろうにも、昔と違って余裕がないから審査が厳格化している。これからは国民生活金融公庫が縮小することになるから、さらに資金へのアクセスは細っていく。
 そんな中、ダメ押しとなるニュースが流れた。1月13日、最高裁で利息制限法が定める貸出金利の上限15%以上の金利について、「事実上、強制されて支払った場合、特段の事情がない限り無効」とする判決が出たのだ。貸出金利の上限を規制する法律は二つ。一つは利息制限法で、貸出金利が15%(100万円以上)を超えてはならないというもの。もう一つは出資法で、29・2%の金利までなら刑事罰の対象にはならないと定めている。
 これまでは、借り手が自分の意思で超過金利分を支払った場合には適法とされてきたから、ほとんどのノンバンクは「グレーゾーン」と呼ばれる15-29.2%の金利帯で零細企業に貸し出してもうけてきた。しかし、前掲の判決をきっかけに、利息制限法を超える貸出金利部分は訴訟が提起されるだろうし、金融庁も法令の運用を厳格化する方針と聞く。

 橘玲氏の「雨の降る日曜は幸福について考えよう Think Happy Thoughts on Rainy Sundays」という本に、「法定金利が決まっているから闇金融がはびこる」という理論があったように思います。ハイリスクな借り手に対して高い金利を要求する事を法律で禁止するのは簡単なのですが、ハイリスクな借り手が合法的に資金を調達する道を断つ事になります。

 回収リスクがある零細企業には高い金利で資金を貸し、リスクが低い大企業には低い金利を提示するのは資本主義の原理から考えれば適正な営業活動だと思います。アメリカでは将来的に見込みのありそうなベンチャー企業に投資を行う、いわゆる「エンジェル」と呼ばれる人たちがいます。もちろん、エンジェルも慈善事業ではないので、銀行よりずっと高いリターンを要求します。また、エンジェルとなるのにも収入や資産(年収30万ドル以上、個人資産100万ドル以上)に制限があって、資格のないエンジェルから融資を受けた企業は株式の上場に制限が加えられています。つまり、投資家も企業も保護されるようなシステムが出来ています。

 このようなシステムが無いままに貸し手のリスクが高い零細企業やベンチャー企業の最高利率を下げれば、ノンバンクはこのような会社への貸し出しをストップします。そうなればこのような会社の取るべき道は2つ。倒産するか法外な金利を要求する闇金融に手を出すかです。

 現状ではノンバンクは審査を厳格にして金利を決めて零細企業に貸し出し、零細企業も調達した資金からそれ以上の利益を上げて返済をしている筈です。審査が甘くて借り手が倒産してしまえばノンバンクは損をしますし、審査が厳しすぎれば借り手は他のノンバンクに行ってしまいます。市場経済のバランスが働いている訳です。

 政策としてこのシステムを壊すなら、ミドルからハイリスクの金融マーケットのシステムを整備してからにして欲しいと思います。

 日本でベンチャー企業が育たない原因の一つは「高利貸しは犯罪」という偏見があるように思います。

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