病気や事故で欠けた骨に代わって損傷部分にぴったり当てはまる人工骨を東京大などが開発した。接着剤を含む粉末を厚さ0.1ミリの層に分けてインクジェットのように吹き付ける方法で、細部まで損傷部分を再現できる。複雑な構造をもつ頭部の損傷への応用などで威力を発揮するという。
これが実用化されればインプラントに使えそうです。現在は骨が不足している部分にインプラントを植える場合は、顆粒状の人工骨や粉砕した自家骨を置きます。そのままでは形が崩れてしまうので、形を作るためにチタンの骨組みの入った特殊な膜を使って人工骨の上を覆います。鉄パイプの骨組みのビニールハウスみたいな感じです。
CTを撮影すれば骨の形は0.1mmの単位で計測できるので、予めこの方法で人工骨を作る事が出来れば、必要な形に作っておいてすぐにインプラントを植える事ができるかもしれません。
Do you think for the future?さんのブログに紹介されていたNEDOのプレスリリースによると、2005年7月に頭部に脳腫瘍を患ったウェルシュコーギーの頭部の骨腫瘍を摘出し、CTデータから3次元積層造形装置で移植人工骨を作成し移植したそうです。人工骨の主成分はαTCPですが、3次元的な構造を再現できるため、αTCPの吸収速度をコントロールするだけではなく、骨の再生に必要な細胞や血管の誘導も効果的にできるかもしれません。現在、私がインプラント埋入の時に使っているβTCPは吸収速度をコントロールするため、粒子の大きさや内部構造を選択する必要があります。吸収を早くするために粒子の細かいタイプを選択すると形態付与が難しくなります。もしも、外形と内部構造が自由に設計できるなら、実際の骨と同じように内部は海綿骨(スポンジ構造の骨)状の構造で血液供給と細胞の導入を促し、外側は皮質骨のように硬い構造で形態を維持するというような夢のようなオーダーメードの人工骨の作成が可能かもしれません。
現在、βTCPを使った人工骨はドイツやイタリアのメーカーのものがよく使われていますが、NEDOが早期にこの技術を実用化してくれれば整形外科や歯科の分野では世界的なシェアが見込めるのではと期待しています。

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