
歯科で一番、使用頻度が高い薬剤は? もちろん「鎮痛剤」=痛み止めです。
(ロキソニンについての詳しい情報は前田歯科医院ブログの薬剤情報のロキソニンの項目をご覧ください。)
鎮痛剤にもいろいろな種類があるのですが、「非ステロイド抗炎症薬(NSAID)」の一種類であるロキソプロフェンは安全性が高く効き目もよいので、熱やノドの痛みをともなうカゼや整形外科分野での関節の痛みなどにもよく使われています。解熱、鎮痛、消炎作用を均等にもち、比較的副作用の少なく、体の中に入ってから活性化し効力を発揮するプロドラッグという特徴を持っており、胃腸への副作用が軽減されています。
副作用が少なく、「良く効く」のは良い薬ですね。ところが、いままで、歯科では歯痛への適応が無かったので歯髄炎などには投薬できませんでした。投与できるのは適応がある抜歯や膿瘍切開の後だけでした。歯痛に適応がある鎮痛剤と言えば代表的なのは「アセトアミノフェン」の「カロナール」でしょうか。感覚的にですが効き目は「ロキソニン」に比べると劣るように思います。
治験をやって薬事を通してしまえば「ロキソニン」に「カロナール」以上の歯痛への効果があるのは明らかなんですが、一錠の薬価が30円ぐらいの薬で治験をやると三共製薬は赤字になります。私企業である以上、制約はありますよね。厚生労働省も国民の健康を預かる責任がありますので、治験なしでどんどん使えというのも問題だったのかもしれません。
平成9年前後と記憶していますが、厚生省から通達が出され、たとえ適応がなくても臨床で医学的な判断において有効と認められたら使ってもよろしい。と、いう事になりました。これで、歯痛にもロキソニンが使える場合が増えたのですが、なぜだかここ数年で再び急に厳しくなってレセプトが支払い側で返戻されるようになりました。ただし、アセトアミノフェンが効かない場合はロキソニンの投与が認められていました。患者さんはアセトアミノフェンが効かない場合は一日痛みを我慢して翌日また来院しなくてはいけませんでした。
「痛み」というのは患者さんのQOL(Quolity of Life)を著しく低下させるので、できるだけ早く止めなくてはいけません。一錠30円の薬をケチって患者さんが学校や仕事を休めば日本の社会に与える影響は30円どころではありません。
今回、ロキソニンの適応に「歯痛」が加わったのはほんとうにうれしいニュースです。これで患者さんが少し早く痛みから解放されるかもしれません。
最近、『ロキソニン 歯痛』で検索してこのページを訪問される方が多いようですが、2009年9月現在、ロキソニンは歯痛に適応がありますし、良く効く薬ですので安心して服用してください。
ただし、家族など他の人が貰ったロキソニンを服用したり、いつ貰ったか判らないような古い薬を服用したりするのは止めてください。とくに、16歳未満のお子さんにロキソニンを服用させるのは、ライ症候群などひどい副作用を招く可能性がありますので、絶対にお子さんには服用させないでください。

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