
文化の日でお休みです。今月は学会や研修会で日曜日に家にいる事が無かったのでひさしぶりの休日です。N響の主席オーボエ奏者の茂木大輔さんのはみだしオケマン挑戦記―オーボエ吹きの苛酷なる夢
を読んだり、チェロの練習をしたりしてゆっくり過ごしました。
そう言えば、数日前にNHKでオーボエ奏者の宮本文昭さんがオーボエ奏者の苦労話をされていたのですが、いちごのつぶつぶの種がリードに入って音が出なくなったことがあったので、演奏前には絶対にいちごを食べないとお話されていました。「マイクロサージェリーの前にはコーヒーが飲めない歯医者」みたいな人知れない苦労はあるものだと思いました。のだめカンタービレ
でもオーボエ奏者の黒木君が暇さえあればリードを削っていますが、宮本さんのお話でも茂木さんの本でも、オーボエ奏者とリード削りは切っても切れない関係みたいです。宮本さんは数十万円もする専用のリード削りマシーンをお持ちのようでした。入門者向けにはレディメードのリードが数千円で入手できるみたいですが、プロは自分で作るんですね。このリード作りが繊細な作業であり、またリード自体が天候や湿度で変化しやすいので最高の状態を保つために、本当に過酷な努力を強いられるようです。『演奏は本人2割リード8割』という話を聞いた事がありますが、リードの作成や管理も考えると『本人10割』なんじゃないかと思います。
また、オーケストラに所属するプロの演奏家のスケジュールは本当に過酷なのが良くわかりました。私も歯学部を卒業後、大学院の学生時代、学会と県外のバイトで年間で30日以上はホテルや旅館に泊っていましたが、今の年齢では体力的にぜったい無理だと思います。プロの音楽家は練習、本番、移動、コンサートの雑用、おまけにオーボエ奏者はリード作りと本当に体力的に大変な仕事だと思いました。
時々、「3歳からチェロを始めていたら今頃、ヨーヨーマみたいにストラディバリウスのチェロを抱えて世界中を演奏旅行してたかもね。」なんてバカな事を言っている私ですが、外出するのは学会や研修会ぐらいで日常の仕事はテニスコート半面ぐらいの診療室で終わってしまう歯科医師は幸せなのかもしれません。
そう言えば、私がアメリカに住んでいたときに買ったマグカップにはこう書いてあります。
dentist /n: one who can drill, excavate, make canals, build bridges and fill holes without leaving the office.
(歯科医師/名詞: 穴を開けたり、発掘したり、運河を作ったり、橋を作ったり、穴を埋めたりをオフィスの中で出来る人)ちなみに、excavateは「発掘」という意味もありますが、虫歯を除去するのもexcavateという動詞を使います。make canalsは歯の根の治療をroot canal treatmentと言うのですが、それに掛けてあります。ブリッジは歯が無くなった場所の両側の歯を削って両側の冠で橋渡しをする治療法です。