歯科用レーザー Q and A
Q レーザーで虫歯を削る事ができますか
ネオジウムヤグやエルビウムヤグレーザーを用いれば浅い初期の虫歯を蒸散させる事が出来ます。レーザーで虫歯を蒸散させる感覚はちょうど雪に水をかけて穴をあける感じに似ています。あまり正確に深さをコントロールする事はできません。ですから、浅い虫歯でその後にコンポジットレジンを充填できる場合には良いのですが、金属の詰め物が必要な場合は正確な窩洞形成は無理です。
浅い虫歯の治療であればマイクロモーターと5倍速のコントラを用いて切削したほうがよほど痛みもありませんし、麻酔も必要ありません。レーザーだけで虫歯の治療を行うのはあまり意味がない事かもしれません。
ただし、通常の機械で切削した後に、切削した面にレーザーを当てると歯の表面の結晶構造が変わって強度が増したり、切削によってダメージを受けた歯髄を回復させるなどの効果があります。
Q レーザーで歯槽膿漏を治せますか
Yesであり、Noでもあります。この答えを考えるには歯槽膿漏の原因と進行について考える必要があります。
歯周病の原因は?
まず、歯茎の中に住み着いた細菌が炎症を起こし、歯と歯茎の間の隙間(歯周ポケット)を深くします。これが歯肉炎です。これを放置すると歯の表面には歯垢がカルシウムと結びついてこびりついた歯石がつき、ここに、嫌気性菌が繁殖します。これの状態になると歯周炎になります。歯石がついて嫌気性菌が繁殖すると歯磨きだけでこれを取り除く事はできません。しかも、歯の根の先端に向かって奥深くにどんどん進行します。細菌の出す毒素の影響で歯を支える歯槽骨が溶けてしまい、ぐらぐらして歯が抜けてしまいます。
レーザーで出来る事
レーザーには炎症を抑える作用がありますので、歯肉炎や歯周病で腫れた歯肉に照射すると炎症を軽減してくれます。また、歯周病から膿瘍を作って膿みが溜まっている場合、レーザーで無痛的に切開を行い、排膿する事もできます。通常の治療にレーザーを併用することで、患者さんの不快症状を軽減する事は可能です。
また、石英ガラスの細いチップで導光する種類のレーザーなら直接、歯周ポケット内に照射をして細菌の量を減らすことも可能です。ただし、Nd-Yagレーザーを使って初期治療を行った場合と通常の治療を行った場合では最終的な治療効果に大きな差はなかったという論文もあります。
裏付けのない治療法にご注意
インターネットで検索するとレーザーのみを使って、歯磨き指導も通常の歯石除去も行わず、数回で歯周病が完治するような広告も見受けられます。(しかも全額自費だそうです)一時的な症状の軽減にはなるかもしれませんが、私はこのような治療には学問的なエビデンスが無いと思います。ですから、歯周病を根治させるには機械的な方法による歯石の除去と根面の平滑化(機械や手用器具による歯石の除去)とプラークコントロールが必要であると考えています。
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