唾石症
近くの病院の救急外来から「口腔内の炎症の患者さんがいらっしゃるのですが、診てもらえますか?」と、連絡がありました。「どうぞ、こちらへまわしてください。」とお返事しました。
患者さんは舌の下の舌下ヒダが腫れて舌が持ち上がっています。また、周囲を押さえると唾液腺の出口から膿が出てきます。舌下ヒダが腫れているので、舌が二枚あるようにも見えます。症状や発症の時期や所見から舌下腺の唾石症であろうと診断しました。
胆のうに石ができると胆石、腎臓だと腎臓結石ですが、つばを作る唾液腺の中につばの中のカルシウム分が固まって石が出来ることがあります。この石がつばが出る管に詰まるのが唾石症です。詰まるとつばの出口が無くなって唾液腺が腫れたり痛んだりします。特に、食事の時に痛む事がありますが、これは食事を前にすると唾液が出て激しい痛みを感じ、食事が終わると治まるもので、唾石症に典型的な症状です。(唾疝痛と呼ばれています)唾石がつまると、そのうちに細菌が感染して唾液腺炎を併発して膿が流れ出します。
舌下腺の唾石の摘出はそれほど難し事ではないのですが、炎症が強かったのでまずは抗生物質で炎症を抑える事にしました。患者さんは悪性腫瘍を心配されていましたが、原因が判って安心されたようでした。